読み聞かせ落ち穂拾い(30)2007年12月09日 15時45分32秒

これも書庫から取り出して読んでみた絵本です。

『つきのぼうや』 オルセン 作、 福音館書店

水に映った月を目指して、月のぼうやが降りてきます。途中には鳥がいたり、飛行機が飛んでいたり。

細くて縦長の絵本でして、ぼうやがだんだんと降りてくる臨場感があります。いっしょにふわりふわりと落ちてくる気分になれる、あるいはこんな風に漂いたいなと子ども達は思っていたのではないでしょうか。

内緒の話ですが、読者には素晴らしい体験をさせる絵本の35センチもある背の高さ、実は保管をする側にとってはとっても困りものなんです。
この絵本のためだけに本棚の高さを調節すると、他の段に入れられる本が限られてきたりしてしまうんです。
悩んだ挙句、横にして入れてみたりするのすが、そうすると通路にびよーんと飛び出して非常に邪魔。両側を空けて斜めにして入れるというのが妥協案でしょうか。図書館に行った際に、どう収納されているか見てみるのも一興です。

読み聞かせ落ち穂拾い(29)2007年12月08日 16時06分32秒

傷んだために書庫にしまってある本の中から、思いつきで読んでみようかなと引っ張り出したことがありました。それなので、ぶっつけ本番のようにして読み、その後は一度も使わなかったのがこれ。

『ジョンはおふろ』 ボブ・グレアム 作、 岩波書店

お風呂に入っておもちゃで遊んでいるジョン。お姉さんが面倒見たり、犬がちょっかいだしてきたりします。

本当に思いつきで手に取り、何の期待もせず読んだものですから、意外にも受けたので私の方がびっくりしました。幼児絵本で短い文の中にリズムがあったのが良かったのでしょうかでしょうか。谷川俊太郎氏の訳ですし。
楽しそうな笑い声は、私にとって良い拾い物でした。

読み聞かせ落ち穂拾い(28)2007年11月16日 13時36分00秒

幼児絵本は読み聞かせの導入に良く使いますが、これもそう。

『くだもの』 平山和子 作、 福音館書店

スイカ、リンゴなど普段食べる果物の絵が、まるでそっくりに描かれています。そして、「さあ、どうぞ」という文が添えられています。嬉しくって何度も食べる真似をしちゃいたくなります。

みんな黙って聞いているので、「あれー、食べないの?」と振ってみたら、何人かの女の子が掴んでむしゃむしゃするしぐさをしてくれました。2年生でものってくれる子がいてほっとしたものです。

読み聞かせ落ち穂拾い(27)2007年11月15日 11時44分53秒

前言撤回。
あれだけ探しても出てこなかったのに、これで切りをつけると決心したとたんに更なるメモが出てきました(人生ってこんなもの!)。
なので次回で終わりではなく、もう数回続けることにします。それでも片手で数えられるほどですが。

『かあさんのいす』 ベラ B.ウィリアムズ 作、 あかね書房

女所帯を支えて働き詰めのお母さんがゆっくりと休める椅子が欲しい。私とおばあちゃんは小銭をビンに貯めていき、ついに美しいバラの模様のソファをプレゼントします。

お母さんへの思いが溢れる絵本。文章も多く、じっくり読むのに向いています。

読み聞かせ落ち穂拾い(26)2007年11月11日 13時35分35秒

リストに追加する本はないか、よくよく探して3冊ほど見つけました。まだあったような気がするのですが、ここらで一つすぱっと切りをつけた方が精神衛生上も良いと思い、落ち穂拾いは次々回までにします。

『パイルドライバー』 長谷川集平 作、ブッキング(以前は温羅書房から)

ブンくんはエッちゃんが好き。好きだから意地悪しちゃう。
エッちゃんが実はとても強いとわかっても好き。

なんの気の迷いか、この絵本を選んでしまいました。2年生のみんな(と担任の先生)、わけがわからなかったでしょうね。
いつもは静かな男の子がプロレスに詳しくて、その技知っている!と雄弁に語ってくれたのが印象的でした。

もうずいぶん前に友人が、これは文と絵の関係を表しているんだよと解説してくれたことがあります。
そんな事を考えなくても、パイルドライバーと高らかに叫びたくなってしまってしょうがありません。

読み聞かせ落ち穂拾い(25)2007年10月18日 15時42分06秒

子どもたちの好きな繰り返し、そしてぐるっと回って戻ってくる絵本は今までもたくさん紹介しましたが、これもそのひとつ。

『しんせつなともだち』 方軼羣 文 君島久子 訳 村山知義 絵 福音館書店

一面の雪野原、食べる物がなくて困ってるのではないかと、ウサギはせっかくみつけたカブを友だちのロバの家へそっと置いてきます。それを見つけたロバも、ヤギを心配して…。
というように順繰りに届けられたカブが最後どうなるか、もうお分かりですね。
子どもの頃読んだ時から、なぜだかこの村山知義さんの絵が好きでした。

このお話、元は中国の民話のようで、フランスのペール・ガストール文庫になっているものを翻訳した絵本を見たことがあります。題名を忘れてしまいましたが、そちらはサイズがやや小さいのと、1ページ毎に絵が付いてました(見開きに2枚の絵ということ)ので、読み聞かせに使うのでしたら見開きに1枚の絵(つまり1場面の絵)で次はどうなるかなとわくわくする『しんせつなともだち』の方がずっといいですね。