一人出版社の奮闘 ― 2025年01月13日 15時55分03秒

たった一人で編集も営業もしている、そんな出版社は
多いような気がします。私の蔵書の何冊かは
そういうところから出ています。はっきりわかっているのは
夏葉社と17出版。もしかしたら知らずに一人出版社の本を
もっともっているかもしれません。

その一つ、17出版がクラウドファンディングをしています。
在庫を裁断処理したくなくて始めたクラウドファンディングですが、
今回が4度目でこれが成立すれば適正在庫として持って
いられるようです。毎回の目標金額はそう多くないのですが、
地味な活動ゆえ、なかなか苦労しています。

https://readyfor.jp/projects/books17-4

自分で購入するという選択肢だけでなく、僻地校などに寄付する
というコースも選べます。

追記:どういう本かを紹介していなかったですね。
数学の公式集です。それなので、学校へ寄付という
選択肢があります。
17出版は様々な本を出していて、私は児童文学作家の岡田淳さんの
著作で知っていたのですが、大人の本ももちろんあります。

「風と共に去りぬ」の原作を読む気になった理由 ― 2024年09月19日 10時22分16秒

ミッチェルの原作をいつか読もうと思ったのは、映画のせいではなく
マンガがきっかけです。
津雲むつみ「風と共に去りぬ」M・ミッチェル原作(集英社)
1977年から週刊セブンティーンで連載開始、’79年連載終了。

興味深い場面がいくつもあって、これなら原作を読んでみてもいいな、
と高校生の私は思ったものでした。そしてついに読みました。
読んで良かったです。マンガは原作に忠実ですが、スカーレットの
見聞きしたこと以外は省かれていて、つまり当時の政治情勢とか
そこにいたる歴史とか、家族の過去の事とか、そういうところも
しれましたし、農園や町や風俗詳しい描写は自分自身を一時、
当時のアメリカ南部に飛ばしてくれました。

実は私、ヨーロッパが好きで、アメリカの小説はあまり
読まないのですが(アメリカの児童文学は大好きです)、
「風と共に去りぬ」は読んで良かった。立派なアメリカン
歴史ロマンスでした。

映画「風と共に去りぬ」 ― 2024年09月16日 18時49分45秒

子どもの頃、テレビには映画を放映するレギュラー番組が多かった。
民放各局がその枠を持っていたんじゃなかったろうか。
今では日本テレビくらいか。
「風と共に去りぬ」を見たのも、当然テレビで。どこの局だったろう。
ノーカット放映なんて聞くと、心が躍ったものでした。
製作されてから、その時すでに30年以上たっていたのに、
女子中学生が教室で話題にするくらいの力はあった。
そのドラマチックなストーリーに心ときめかせたものです。
「主演女優がなかなか決まらなくてね、先にアトランタが火事で
焼け落ちるシーンを撮影したんだって。そんでね、それを情熱的に
見つめていたのがビビアン・リーで、主役に抜擢されたんだって。」
そんな話を聞いたのも、クラスメイトからでした。

「風と共に去りぬ」岩波文庫 ― 2024年09月10日 20時35分26秒

マーガレット・ミッチェル作「風と共に去りぬ」荒このみ訳を読みました。
岩波文庫を選んだのは、図書館で文庫の棚に並んでいたから。
全6巻。各巻に、たっぷり解説がついています。さすが岩波。
奴隷制について、インディアンについて、そのほか私が南北戦争に
ついて漠然とイメージしていたものとはずいぶん違うんだと
思い知らされました。
時あたかもパリオリンピック、開会式の船のパレード、リベリアの
選手団が映し出され、アナウンサーが国の成り立ちを簡潔に
述べる。解説を読んだばかりの私は、手放しで素晴らしいとは
思えない。リンカーンは奴隷を解放したけれど、黒人と一緒に
やっていく気はなかったみたいで…。
ともかくも、面白く全巻読み通しました。自分がその時代に
入り込んだような気分になり、北部と南部の違いも感じ取れました。

一番印象に残ったのは、主人公スカーレットの母。しっかり者で
優しくて、理想的なお母さま。でも、タラ農園に嫁いできたのは、
自分の実家へのあてつけ。家族に愛する従兄との恋愛を反対され
結局彼は死んでしまう。それで、家柄の全く合わない、しかも
かなり年上の男と結婚してしまう。
結婚後は仲の良い夫婦となったのですが、それでも彼を忘れない。
病気で死の淵にいる時、うなされて呼ぶのは従兄の名。
家族はそれが誰だかわからない。ただ一人、娘時代から付き
従ってきた奴隷のマミーだけは知っていた。
スカーレットが、アシュリーがメラニーと婚約したのを怒って、
あてつけにメラニーの兄さんと結婚するのと重なる所がありますね。

父の書斎にて ― 2024年05月19日 11時52分57秒

父の書斎には本が揃っていて、図書館に調べものに行くと
いう理由が通用しないくらいでした。本当は、調べものではなく、
自習室に行きたかっただけなんですけれどね。

学校の夏休みの宿題か何かで、漱石の「こころ」を読んで
感想を書くというのも、書斎へ取りに行ってすぐに取り掛かれました。
鴎外の「雁」も宿題だったのかしら。鯖の味噌煮で運命って変わる
ものだと思いましたが、そんなことは感想に書かなかったような
気がします。鴎外の歴史ものは自分で読みたくて読んだっけ。

先客がいることもありました。妹が、父の大きな椅子にちょこんと
座り込んでなにやら読みふけっているのに遭遇すると、そっと
回れ右をして自分の部屋へ戻ったものです。

ルークリース凌辱 ― 2024年05月12日 10時38分24秒

「黒博物館 ゴーストアンドレディ」に出てくるゴーストは、
劇場に取りついていた幽霊だけあって、芝居に精通していて
頻繁にシェイクスピアのセリフを引用します。
その中に、全く知らなかった作品があったので読んでみました。

「ルークリース凌辱」は詩の形をとっています。
ローマ王の息子タークィンが家臣の妻ルークリースを凌辱、
彼女は自ら死を選び、それがきっかけに反乱が起き、
王族は追われる。

図書館で借りたのは、古い世界文学全集の1冊。
もしかしたら、家にあったのと同じものかしら。
父の書斎には、文学全集は日本のも世界のも
揃っていたし、百科事典もその他小説類も
山ほどありました。中学生くらいから、父のいない
時に入り込んで本を抜き出して部屋に持って行って
読んでいたっけ。シェイクスピアの有名どころの
作品は、そうして目を通したはず。司馬遼太郎も
引っ張り出した。井伏鱒二の「山椒魚」も
「さざなみ軍記」も読んだ。大岡昇平の「俘虜記」も
「野火」も「武蔵野夫人」もそうして読んだ。
伊藤整のエッセイもあった。そうそうチャタレイ夫人だって
世界文学全集にちゃんと入っていた。伏字だったかどうかは
おぼえていません。