入れ子の水は月に轢かれ ― 2025年02月07日 14時47分24秒
アガサ・クリスティー賞を受賞した作品は「同志少女よ、敵を撃て」の
他にもう1冊だけ読んだことがあります。
「入れ子の水は月に轢かれ」オーガニックゆうき(早川書房)
第8回のアガサ・クリスティー賞大賞の作品で、今はハヤカワ文庫
にもなっているようです。
舞台は那覇市。水上店舗が並ぶ所へ、上流の急な増水で
作業員が流された、救助のため暗渠に降りられる場所はないか
という緊迫した場面から始まっていたと思います。
読むきっかけは、2022年、沖縄復帰50年という事で新聞は連日
沖縄関連の記事を載せていました。その一つに、作家の
オーガニックゆうきの寄稿だったかインタビューだったかのが
ありました。その名前とプロフィールのアガサ・クリスティー賞の
文言にひかれて図書館で借りだしたのでした。
訳ありの登場人物たち、戦後の闇、そして何よりも川、水路、暗渠、
の方が「主人公」なのではないかというくらいの描写、庭に大きめの
マンホールがあって、救助隊がすんなり降りていけるなんて…。
不思議な熱量というか、妙に引き付けられると思いながら読みかけ
だったある日、最寄りの停留所をバスを降りた私はぎょっとしました。
消防士さんがマンホールをのぞき込んでいる!
落ち着いて見れば、それはマンホールではなくて消火栓の
四角い蓋、ホースが道路に沿って伸びているのを
はずしているところ。消火が終わってはずしているところというのは
後日話を聞いて類推したことで、その時は、とにかくその場を
離れたいと思ったのでした。どこが火事だったのか確かめもせず。
読んでいる物語にすっかりとらわれていたのでした。
早川書房のアガサ・クリスティー賞は、現在第15回の作品を募集中!
他にもう1冊だけ読んだことがあります。
「入れ子の水は月に轢かれ」オーガニックゆうき(早川書房)
第8回のアガサ・クリスティー賞大賞の作品で、今はハヤカワ文庫
にもなっているようです。
舞台は那覇市。水上店舗が並ぶ所へ、上流の急な増水で
作業員が流された、救助のため暗渠に降りられる場所はないか
という緊迫した場面から始まっていたと思います。
読むきっかけは、2022年、沖縄復帰50年という事で新聞は連日
沖縄関連の記事を載せていました。その一つに、作家の
オーガニックゆうきの寄稿だったかインタビューだったかのが
ありました。その名前とプロフィールのアガサ・クリスティー賞の
文言にひかれて図書館で借りだしたのでした。
訳ありの登場人物たち、戦後の闇、そして何よりも川、水路、暗渠、
の方が「主人公」なのではないかというくらいの描写、庭に大きめの
マンホールがあって、救助隊がすんなり降りていけるなんて…。
不思議な熱量というか、妙に引き付けられると思いながら読みかけ
だったある日、最寄りの停留所をバスを降りた私はぎょっとしました。
消防士さんがマンホールをのぞき込んでいる!
落ち着いて見れば、それはマンホールではなくて消火栓の
四角い蓋、ホースが道路に沿って伸びているのを
はずしているところ。消火が終わってはずしているところというのは
後日話を聞いて類推したことで、その時は、とにかくその場を
離れたいと思ったのでした。どこが火事だったのか確かめもせず。
読んでいる物語にすっかりとらわれていたのでした。
早川書房のアガサ・クリスティー賞は、現在第15回の作品を募集中!
同志少女よ、敵を撃て ― 2025年01月28日 13時49分49秒
前の日記でバッグに入っていると書いた本がこれです。
評判になった本が文庫化されていたので、電車の中で
読むために買ったのでした。
「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬(ハヤカワ文庫)
文句なく面白かったです。隙間時間に読むために買った
はずが、どんどん読み進めてしまいました。
第二次大戦の独ソ戦で女性狙撃手になったセラフィマが
主人公。仲間と共に激戦地で戦い抜きます。
早川書房が創設したミステリ小説の新人賞、
アガサ・クリスティー賞の第11回大賞を受賞(2021年)して
出版され、翌年には第19回本屋大賞受賞。
2022年2月にロシアがウクライナに攻め込むという事態が
起こったために、本の面白さとは別の点で取り沙汰されることも
多かったようです。私も今回読んでいて、ウクライナの地名など
がすぐに頭に入ってくるし、載っている地図もすぐ理解できてしまった。
でも現実の戦争とのリンクはともかく、物語としてとても
よくできているのでお勧めです。
文庫版のあとがきに、作者が「この小説を書かなければよかった」
と何度も思い、現在はどういう心境に達しているかが書かれています。
単行本で読んだ人も、このあとがきだけ本屋さんで立ち読みして
みてはどうでしょう。
高橋源一郎さんの解説も素晴らしい。
評判になった本が文庫化されていたので、電車の中で
読むために買ったのでした。
「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬(ハヤカワ文庫)
文句なく面白かったです。隙間時間に読むために買った
はずが、どんどん読み進めてしまいました。
第二次大戦の独ソ戦で女性狙撃手になったセラフィマが
主人公。仲間と共に激戦地で戦い抜きます。
早川書房が創設したミステリ小説の新人賞、
アガサ・クリスティー賞の第11回大賞を受賞(2021年)して
出版され、翌年には第19回本屋大賞受賞。
2022年2月にロシアがウクライナに攻め込むという事態が
起こったために、本の面白さとは別の点で取り沙汰されることも
多かったようです。私も今回読んでいて、ウクライナの地名など
がすぐに頭に入ってくるし、載っている地図もすぐ理解できてしまった。
でも現実の戦争とのリンクはともかく、物語としてとても
よくできているのでお勧めです。
文庫版のあとがきに、作者が「この小説を書かなければよかった」
と何度も思い、現在はどういう心境に達しているかが書かれています。
単行本で読んだ人も、このあとがきだけ本屋さんで立ち読みして
みてはどうでしょう。
高橋源一郎さんの解説も素晴らしい。
カフェ クリスティ ― 2025年01月22日 10時11分00秒
早川書房の本社ビルの一階にあるカフェに行ってきました。
正式な名称は
サロンクリスティ
千代田区神田多町2-2
ずっとカフェクリスティだと思い込んでいて、この名で検索しましたが
ちゃんと出てきました。
JR神田駅を出ると、たくさんのサラリーマンが昼食をとろうと
街にあふれていて、こりゃ来る時間帯を間違えたかなと心配に
なりましたが、サロンクリスティにはすんなり入れました。むしろ、
時間は90分まででお願いしますと言われたので、腰を落ち着けるのが
当たり前のカフェなのねと思ったのでした。
ソファー席もあったので、そこだとつい長居しそう!
カウンター席もありました。
クリスティの文庫は何か所かに分けて展示されていて、
グッズ売り場もあり、Tシャツやマグカップやトートバッグが
並べられてました。そこはハヤカワですから、推理系だけではなく、
SF系の物もちゃんと置いてあります。アンドロイドは電気羊の夢を
見るか、とか。
この上は編集部なのよね、作家さんが出入りしたりしてないかしら、
なんて勝手に思い、隣のビルのウィンドウに先月出た文庫が
ディスプレイされているのを見て、あ、これ今バックに入ってると
気が付き、これからもハヤカワには楽しませてもらえるなあと
満足して次の目的地に向かったのでした。
正式な名称は
サロンクリスティ
千代田区神田多町2-2
ずっとカフェクリスティだと思い込んでいて、この名で検索しましたが
ちゃんと出てきました。
JR神田駅を出ると、たくさんのサラリーマンが昼食をとろうと
街にあふれていて、こりゃ来る時間帯を間違えたかなと心配に
なりましたが、サロンクリスティにはすんなり入れました。むしろ、
時間は90分まででお願いしますと言われたので、腰を落ち着けるのが
当たり前のカフェなのねと思ったのでした。
ソファー席もあったので、そこだとつい長居しそう!
カウンター席もありました。
クリスティの文庫は何か所かに分けて展示されていて、
グッズ売り場もあり、Tシャツやマグカップやトートバッグが
並べられてました。そこはハヤカワですから、推理系だけではなく、
SF系の物もちゃんと置いてあります。アンドロイドは電気羊の夢を
見るか、とか。
この上は編集部なのよね、作家さんが出入りしたりしてないかしら、
なんて勝手に思い、隣のビルのウィンドウに先月出た文庫が
ディスプレイされているのを見て、あ、これ今バックに入ってると
気が付き、これからもハヤカワには楽しませてもらえるなあと
満足して次の目的地に向かったのでした。
数字であそぼ。 ― 2025年01月18日 13時14分57秒
雑誌に連載中でコミックスになるのを楽しみに待っている作品は
現在この漫画だけです。
「数字であそぼ。」絹田村子(小学館)
月刊フラワーズに連載していて、キャンパスライフコメディー
ですが、特徴は数学を専攻する大学生が主人公というところです。
一話ごとにちゃんとオチがついていて、マンガにはそれが
必要だと思っている私は楽しく読んでいます。
毎回、数学のネタが出てきて、それがクイズみたいだったり、
暗号だったり、本当に難しい数式だったり色々です。
クイズや暗号は一度読むのをやめて解いてから続きを
読みます。理解不能の数式は、気にせずに眺めて賢くなった
気になって満足です。
でも、もしかしたら自分にもわかるのではないか、というもやもや
状態に置かれることがありました。例えば、ケーキを7等分する話。
ホールケーキの「大きさ」をきっちり7等分する式が書いてあって、
それを確かめずにはいられませんでした。そんな時、役に立ったのが
ひとつ前の日記でふれた、中学生向け数学の公式集。
さんへいほうのていりは~と索引を見て、あーでもないこーでもないと
ちょっと頭の体操。ほんとだー、とすっきり。
数学ネタでそんなに続くのかと思っていたけれど、暗証番号やら
薬の飲みすぎ防止やら、リボ払いが怖いことやら、次々出てきます。
登場する吉田大学は京大がモデルで、京都の通り名を使った
住所は実は分かり易いのを理解できました。
現在12巻まで。早く次が出ないかな!
現在この漫画だけです。
「数字であそぼ。」絹田村子(小学館)
月刊フラワーズに連載していて、キャンパスライフコメディー
ですが、特徴は数学を専攻する大学生が主人公というところです。
一話ごとにちゃんとオチがついていて、マンガにはそれが
必要だと思っている私は楽しく読んでいます。
毎回、数学のネタが出てきて、それがクイズみたいだったり、
暗号だったり、本当に難しい数式だったり色々です。
クイズや暗号は一度読むのをやめて解いてから続きを
読みます。理解不能の数式は、気にせずに眺めて賢くなった
気になって満足です。
でも、もしかしたら自分にもわかるのではないか、というもやもや
状態に置かれることがありました。例えば、ケーキを7等分する話。
ホールケーキの「大きさ」をきっちり7等分する式が書いてあって、
それを確かめずにはいられませんでした。そんな時、役に立ったのが
ひとつ前の日記でふれた、中学生向け数学の公式集。
さんへいほうのていりは~と索引を見て、あーでもないこーでもないと
ちょっと頭の体操。ほんとだー、とすっきり。
数学ネタでそんなに続くのかと思っていたけれど、暗証番号やら
薬の飲みすぎ防止やら、リボ払いが怖いことやら、次々出てきます。
登場する吉田大学は京大がモデルで、京都の通り名を使った
住所は実は分かり易いのを理解できました。
現在12巻まで。早く次が出ないかな!
一人出版社の奮闘 ― 2025年01月13日 15時55分03秒
たった一人で編集も営業もしている、そんな出版社は
多いような気がします。私の蔵書の何冊かは
そういうところから出ています。はっきりわかっているのは
夏葉社と17出版。もしかしたら知らずに一人出版社の本を
もっともっているかもしれません。
その一つ、17出版がクラウドファンディングをしています。
在庫を裁断処理したくなくて始めたクラウドファンディングですが、
今回が4度目でこれが成立すれば適正在庫として持って
いられるようです。毎回の目標金額はそう多くないのですが、
地味な活動ゆえ、なかなか苦労しています。
https://readyfor.jp/projects/books17-4
自分で購入するという選択肢だけでなく、僻地校などに寄付する
というコースも選べます。
追記:どういう本かを紹介していなかったですね。
数学の公式集です。それなので、学校へ寄付という
選択肢があります。
17出版は様々な本を出していて、私は児童文学作家の岡田淳さんの
著作で知っていたのですが、大人の本ももちろんあります。
多いような気がします。私の蔵書の何冊かは
そういうところから出ています。はっきりわかっているのは
夏葉社と17出版。もしかしたら知らずに一人出版社の本を
もっともっているかもしれません。
その一つ、17出版がクラウドファンディングをしています。
在庫を裁断処理したくなくて始めたクラウドファンディングですが、
今回が4度目でこれが成立すれば適正在庫として持って
いられるようです。毎回の目標金額はそう多くないのですが、
地味な活動ゆえ、なかなか苦労しています。
https://readyfor.jp/projects/books17-4
自分で購入するという選択肢だけでなく、僻地校などに寄付する
というコースも選べます。
追記:どういう本かを紹介していなかったですね。
数学の公式集です。それなので、学校へ寄付という
選択肢があります。
17出版は様々な本を出していて、私は児童文学作家の岡田淳さんの
著作で知っていたのですが、大人の本ももちろんあります。
「風と共に去りぬ」の原作を読む気になった理由 ― 2024年09月19日 10時22分16秒
ミッチェルの原作をいつか読もうと思ったのは、映画のせいではなく
マンガがきっかけです。
津雲むつみ「風と共に去りぬ」M・ミッチェル原作(集英社)
1977年から週刊セブンティーンで連載開始、’79年連載終了。
興味深い場面がいくつもあって、これなら原作を読んでみてもいいな、
と高校生の私は思ったものでした。そしてついに読みました。
読んで良かったです。マンガは原作に忠実ですが、スカーレットの
見聞きしたこと以外は省かれていて、つまり当時の政治情勢とか
そこにいたる歴史とか、家族の過去の事とか、そういうところも
しれましたし、農園や町や風俗詳しい描写は自分自身を一時、
当時のアメリカ南部に飛ばしてくれました。
実は私、ヨーロッパが好きで、アメリカの小説はあまり
読まないのですが(アメリカの児童文学は大好きです)、
「風と共に去りぬ」は読んで良かった。立派なアメリカン
歴史ロマンスでした。
マンガがきっかけです。
津雲むつみ「風と共に去りぬ」M・ミッチェル原作(集英社)
1977年から週刊セブンティーンで連載開始、’79年連載終了。
興味深い場面がいくつもあって、これなら原作を読んでみてもいいな、
と高校生の私は思ったものでした。そしてついに読みました。
読んで良かったです。マンガは原作に忠実ですが、スカーレットの
見聞きしたこと以外は省かれていて、つまり当時の政治情勢とか
そこにいたる歴史とか、家族の過去の事とか、そういうところも
しれましたし、農園や町や風俗詳しい描写は自分自身を一時、
当時のアメリカ南部に飛ばしてくれました。
実は私、ヨーロッパが好きで、アメリカの小説はあまり
読まないのですが(アメリカの児童文学は大好きです)、
「風と共に去りぬ」は読んで良かった。立派なアメリカン
歴史ロマンスでした。
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