ある1年1組の読み聞かせの記録(4)2007年03月08日 15時57分39秒

前回紹介した「おかえし」のネタバレになってしまいますが、大団円を迎える前、お返しがエスカレートしてもう何も持って行く物がなくなり遂に自分の子どもを連れてっちゃうんです。ここで「えーっ!」となるのもお定まり。しかも型どおりの、つまらないものですがという言葉も添えられるので、「ひどいー」と囁き合う言葉が聞かれることもあります。この1年1組の時ではなかったのですが、子ども達より一緒に聞いていた担任の先生の方が先に反応した時がありました。先生の出した声に驚いて、何人かの児童が振り返ったほどです。その先生ちょうど3人目の育児休暇明けでした。私だって初めてこの絵本を読んだ時にはびっくりしたものです。でも、心の底から心配しているお顔に、負けたーって思っちゃいました。
さて次です。

「わたしのワンピース」  にしまき かやこ作  こぐま社
「ラチとらいおん」  マレーク・ベロニカ作 福音館書店

お花畑の中を通れば模様が花柄に、原っぱでは草の実の模様にかわる「わたしのワンピース」、一緒に歌を口ずさみながら歩きたくなってしまいます。鳥の模様になったらあら不思議…。

「ラチとらいおん」は、40年以上前の絵本ですけれど未だに古びない絵本ですね。テーマが永遠のものだということもあるのですけれど、最小限しか描き込まれていない単純化された絵のおかげかもしれません。文明の利器や服装は念入りに描かれると時代が特定されちゃいますからねえ。
それはともかく、ラチという世界で一番弱虫の男の子が、小さな赤いライオンに助けられて少しずつ変わっていくのが嬉しい絵本です。いつもポケットの中にライオンがいてくれる、安心できる存在が必要ですよね、子どもには。
終盤の、ライオンからラチへの手紙が好きです。このページを読む時、いつも幸せな気分になります。