黒博物館 ゴースト&レディ2024年05月10日 11時47分37秒

「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」が好きすぎて、その関連図書を
読み漁ってきましたが、さすがにメアリー・シェリーの母親の
メアリー・ウルストンクラフトの「女性の権利の擁護」までは
手が出せず、黒博物館の他のシリーズへ移ります。

「黒博物館 スプリンガルド」(全1巻)が第1シリーズ。
1837年からロンドンを騒がせたバネ足ジャックについての
ちょっと不思議な物語。せつない片思いとも言えます。
第2シリーズは「黒博物館 ゴーストアンドレディ」(全2巻)で、
劇団四季で舞台化されるとか。
他の二つのシリーズとは違い、本物の幽霊が出てきます。
劇場に取りついたゴーストと彼に頼みごとをするとあるレディ。
二人(?)は遠くクリミア戦争の現場まで出かけていくことに…
と言ったらレディが誰だかわかっちゃうか。
この話で私がうなったのは、人間はだれしも自分の頭上に
生霊を抱えているという設定です。黒い影のようなのもあれば、
グロテスクなモンスター級のものまでさまざまです。
その生霊は同士が互いに戦ったりする。あまり恨みを持たないタイプの
人間の生霊は弱くって、すぐやられちゃって宿主もダメージを
受ける。私の生霊はどんなかしらんと想像してちょっと楽しいというか
ちょっと恐ろしいというか。
生霊は人間には見えません。でもたまに例外がある。そのレディには
他人の生霊が見えるのです。自分のは見えない。
自らの信じた道を行こうとするレディに、立ちふさがる人びと、
そしてその頭上には恐ろしい生霊が牙をむく。ただでさえ
反対を押し切って進むのは大変なのに、悪意の塊が目に見えれば
フツーの人ならあきらめちゃいますよね。

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