読み聞かせ落ち穂拾い(8)2007年08月03日 11時05分13秒

昨日は紹介した本の絵が不評だった話をしました。それじゃあそのコワイと騒いだ子の好みはいったいどんなの?と思われる方もあるかと。
実はこの絵本です。

『ベーコンわすれちゃだめよ!』 パット・ハッチンス 作、 偕成社

「どっこいしょ」複雑版とでも言いましょうか、おつかいを頼まれた子が買ってくるものを暗唱しながら歩いていくと周りにあるものに影響されて覚えていた内容が次々に変わっていき、とんでもない物を買ってしまいます。それだけじゃなく、帰り道に本来買うべきものを目にしたらやっと思い出してそれまでの物を返して家にたどり着くのですが…。
ハッチンスの愛嬌のある絵で、愉快な楽しいひと時が過ごせます。

件の子はこの絵本をいたく気に入り大笑いしていたと先生が報告してくれました。その後図書室に遊びに来た時も、この本を引っ張り出して眺めては楽しそうな笑い声を上げる程でした。特にお気に入りは、大根足がずらっと並んでいるページ。

基本的に言葉遊びの本なので、翻訳だと伝わらない点もあります。それでも何とか辻褄が合う(?)ように訳した渡辺茂男さんに敬意を表します。
それでも無理があると思われる向きもありましょうが、そもそも原語でわかったとしても幼い子に椅子を買わせるのはありっこないでしょうという突っ込み合戦をするのは野暮というもの。
ここはひとつ、とっても楽しめるおかしな絵本ということで、あまり細かいことは気にしないで子どもと一緒に楽しみましょう。

せっかくの言葉遊びですから、読み聞かせの前に練習してくださいね。特に一番最後のオチの一言は大きな声で叫びたいですから、そこへ行くまでつっかえないように。