読み聞かせ落ち穂拾い(29)2007年12月08日 16時06分32秒

傷んだために書庫にしまってある本の中から、思いつきで読んでみようかなと引っ張り出したことがありました。それなので、ぶっつけ本番のようにして読み、その後は一度も使わなかったのがこれ。

『ジョンはおふろ』 ボブ・グレアム 作、 岩波書店

お風呂に入っておもちゃで遊んでいるジョン。お姉さんが面倒見たり、犬がちょっかいだしてきたりします。

本当に思いつきで手に取り、何の期待もせず読んだものですから、意外にも受けたので私の方がびっくりしました。幼児絵本で短い文の中にリズムがあったのが良かったのでしょうかでしょうか。谷川俊太郎氏の訳ですし。
楽しそうな笑い声は、私にとって良い拾い物でした。

読み聞かせ落ち穂拾い(30)2007年12月09日 15時45分32秒

これも書庫から取り出して読んでみた絵本です。

『つきのぼうや』 オルセン 作、 福音館書店

水に映った月を目指して、月のぼうやが降りてきます。途中には鳥がいたり、飛行機が飛んでいたり。

細くて縦長の絵本でして、ぼうやがだんだんと降りてくる臨場感があります。いっしょにふわりふわりと落ちてくる気分になれる、あるいはこんな風に漂いたいなと子ども達は思っていたのではないでしょうか。

内緒の話ですが、読者には素晴らしい体験をさせる絵本の35センチもある背の高さ、実は保管をする側にとってはとっても困りものなんです。
この絵本のためだけに本棚の高さを調節すると、他の段に入れられる本が限られてきたりしてしまうんです。
悩んだ挙句、横にして入れてみたりするのすが、そうすると通路にびよーんと飛び出して非常に邪魔。両側を空けて斜めにして入れるというのが妥協案でしょうか。図書館に行った際に、どう収納されているか見てみるのも一興です。

読み聞かせ落ち穂拾い(31)2007年12月18日 13時59分21秒

グラフィックデザインに詳しい人にはおなじみの名前らしいのですが、その方面に疎い私はただ素敵だなと思うばかり。そんな作者の絵本がこれ。

『ぼくは いろいろ しってるよ』 アン&ポール・ランド 作、 福音館書店

子どもの目から見た世界、猫がニャーと鳴き犬がワンと吠える。お日様はとってもまぶしい丸いパン、そんな言葉達がわかりやすくデザインされた絵とともに心に飛び込んできます。

読み聞かせで受けるという類の本ではありませんが、絵を見ていていいなあと思ってもらえたんじゃないでしょうか。
同じランド夫妻の絵本の中では、私はこちらが大好きです。

『ちいさな1』 アン・ランド&ポール・ランド 作、 ほるぷ出版

ちっぽけな数字の1はひとりぼっち。仲間に入れてもらおうとしても断られてばかり、2にも3にも4にも5にも…。そこへ輪っかが遊ぼうよと転がってきました。

この小さな1くんが可愛くてしょうがありません。図書室にはなかったので読み聞かせには使いませんでしたが(自分では持っています)。予算で注文しようと思った時にちょうど品切れだったので蔵書に加える機械を逃してしまいました。今は注文すれば手に入る状況のようです。プレゼントなんかに良いかもしれませんね、持っている人は少ないでしょうから。

読み聞かせ落ち穂拾い(32)2007年12月19日 16時09分59秒

読み聞かせに良く使われるだけでなく、学校の中でちょっとした劇にして演じられることが多い絵本です。例えば、朝行事とか発表会とか。

『どろぼうがっこう』 加古里子 作、 偕成社

どろぼうだって習うことがいっぱいあるから学校へ行かなきゃなりません。宿題もあります。何かを盗んでこなきゃならないんですが、生徒は出来が悪くて変な物ばかり持ってきます。遠足もあります。当然夜に出かけます。お金のありそうな大きな建物を目指しますが…。

石川五右衛門風のくまさかとらえもん先生と一癖も二癖もありそうな(どろぼうだから当然か)生徒達の掛け合いが面白く、また憎めないドジさ加減がなんとも言えません。口調が面白いので、思わず覚えてしまうフレーズもあります。子ども達は実際に使ってみたくなるでしょう。

特殊学級の子達が授業参観用にどろぼうがっこうを劇にしたので見に来て下さいと言われて、教室にお邪魔したことがあります。がんばって練習したのに数人のお母さん達だけに見せるのはもったいないですから。一人が何役もこなし、楽しい劇を見せてくれました。そして最後に、いつも職員室にいるはずの教務主任の先生が扮装して突然現れたのでびっくり!
何の役柄かはネタバレになってしまうので言いませんが、どろぼうがっこうの一行と同じ衝撃を味わわせてもらいました。教務の先生ったら、ずーっとロッカーの陰に隠れていたんですよ。あの時は本当に驚いたんだから。

読み聞かせ落ち穂拾い(33)2007年12月20日 15時52分08秒

リストの残りもあとわずか。次にいきます。

『ジオジオのかんむり』 岸田衿子 文、 中谷千代子 絵、 福音館書店

年取ったライオンの王様ジオジオは、何もする気が起きません。
けれども灰色の小鳥に巣の場所を提供してからは、ちょっと違ってきました。
頭上の冠の中の卵を外敵から守ってやり、生まれた雛たちの声を楽しく聞くのです。

老いを想像できる大人としては、ジオジオが新たな働き場所を見つけられたとか、孫のような存在に癒されているんだなんて理屈をこねたくなっちゃうかもしれません。でも、そんな事は思いもつかない子ども達にもジオジオの喜びは確実に伝わってるなあと感じられる絵本です。

読み聞かせ落ち穂拾い(34)2007年12月21日 14時51分29秒

落ち穂拾いの15で一番好きな作家としてあげたバートンの絵本をもう1冊ご紹介します。

『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』 バージニア・リー・バートン 作、 福音館書店

大雪の日、「じぇおぽりすの まちは、すっぽり、まっしろいゆきの もうふの したに かくれました。」他の雪かきトラックが全部止まってしまう中、一番力の強い「けいてぃー」だけは動いていました。町の人たちを助けるために。

読み聞かせにはもちろん、自分でじっくり読むのも楽しい絵本です。
町の地図が描いてありますから、「けいてぃー」の除雪した道をたどってみて下さい、是非!