読み聞かせ草子(19) ― 2009年05月02日 09時18分34秒
時には雑誌を読み聞かせに使うことがありました。
福音館の月刊誌。「こどものとも」等は1冊にお話がひとつなので
ハードカバーじゃないということを除けば絵本と同じ感覚ですが、
「おおきなポケット」は内容が複数あるので雑誌だとはっきり
わかります。絵を見せながら読むにはちょっとめくりにくいですし。
「おおきなポケット」略して「おおポケ」は小学生向け。
その中からこのお話を3年生の教室でよく読みました。
『とうふやのかんこちゃん』 吉田道子 文、上田みゆき 絵、
福音館書店「おおきなポケット」1999年10月号、21~34ページ
かんこのお家は豆腐屋さんです。朝早くから働いたお父さんがお昼寝中にキツネの親子が訪ねてきます。かんこがお店に出ると、「きょうは審査の日です」とキツネがいいました。
なぜ3年生にこのお話を読んだのかというと、その小学校では3年生の総合学習(この先この科目はどうなっちゃうんでしょうねえ)のテーマが「大豆」だったからです。資料調べだけでなく、実際に自分達で大豆を育てて、収穫して豆腐を作ってみる。そんなことを色々としていたので、お豆腐にまつわるお話がないかなあと思っていたのです。
最近はネットで検索すれば簡単にひっかかってきますが、このころはお豆腐屋という地味な(?)素材のお話が見つからなくて、これだけが頼りでよく読みました。もちろん、お話がとっても面白かったというのもあります。だって、キツネが一軒一軒廻って豆腐や油揚げの味見をしている図を想像してみてください!
「おおきなポケット」のバックナンバーは図書館で見ることが出来る場合もありますから、機会が有りましたら読んでみて損は無いと思います。
福音館の月刊誌。「こどものとも」等は1冊にお話がひとつなので
ハードカバーじゃないということを除けば絵本と同じ感覚ですが、
「おおきなポケット」は内容が複数あるので雑誌だとはっきり
わかります。絵を見せながら読むにはちょっとめくりにくいですし。
「おおきなポケット」略して「おおポケ」は小学生向け。
その中からこのお話を3年生の教室でよく読みました。
『とうふやのかんこちゃん』 吉田道子 文、上田みゆき 絵、
福音館書店「おおきなポケット」1999年10月号、21~34ページ
かんこのお家は豆腐屋さんです。朝早くから働いたお父さんがお昼寝中にキツネの親子が訪ねてきます。かんこがお店に出ると、「きょうは審査の日です」とキツネがいいました。
なぜ3年生にこのお話を読んだのかというと、その小学校では3年生の総合学習(この先この科目はどうなっちゃうんでしょうねえ)のテーマが「大豆」だったからです。資料調べだけでなく、実際に自分達で大豆を育てて、収穫して豆腐を作ってみる。そんなことを色々としていたので、お豆腐にまつわるお話がないかなあと思っていたのです。
最近はネットで検索すれば簡単にひっかかってきますが、このころはお豆腐屋という地味な(?)素材のお話が見つからなくて、これだけが頼りでよく読みました。もちろん、お話がとっても面白かったというのもあります。だって、キツネが一軒一軒廻って豆腐や油揚げの味見をしている図を想像してみてください!
「おおきなポケット」のバックナンバーは図書館で見ることが出来る場合もありますから、機会が有りましたら読んでみて損は無いと思います。
読み聞かせ草子(2) ― 2008年02月23日 15時12分53秒
小学校の朝行事の時間に教室に行って読み聞かせができるメリットは、
対象となる学年がわかること。そして時間がきちんと決まっていること。
私は希望して、よく高学年のクラスの当番にしてもらいました。
低学年では飽きてしまうかもしれませんが、5年生や6年生だと15分という時間で一つのお話でも大丈夫なのです。
それと、慣れないお母さん方の中には、高学年は怖くて(笑)とてもできない
と避ける人も多かったので、私の希望は必ず通りました。
そういう時に使った本はこちらの民話集の中からのお話。
絵はありません。いわゆる朗読ですね。
絵本を期待して机を教室の後ろに下げて待っていてくれる子ども達には、
最初に絵はないけれど聞いてね、と断って始めます。
『みどりの小鳥 ─イタリア民話選─』 イータロ・カルヴィーノ作、岩波書店
の中から「死人の腕」
娘達が一人残らずいなくなってしまった町を救うために、若者は
魔法使いのいる城へ乗り込みます。途中の墓場で亡霊に
出会い不思議な「死人の腕」を貰います。
絵がなくても、頭の中で生き生きとその情景が思い浮かべることが
できる面白い、そしてちょっとだけ怖いお話です。
しっかり練習すると、ちょうど15分で読めます。一度、読み終わって
本をぱたりと閉じたとたんにチャイムが鳴ったことがあって快感でした。
他所の小学校の朝行事の時間に読んだことがありましたが、そこでは
机を動かさないで普段どおりの配置のままで聞いてもらいました。
7月だったか、とても暑い日で、窓や戸を全部開け放しても風が
入ってこなかったものですから、子ども達は皆、机の中から下敷きを出して
パタパタあおぎながら聞いていました。態度悪いとは思ったものの、
注意するほどではないかなとそのまま読み進めました。
城の広間のようす、台所のかまどから聞こえてくる不気味な声、
異様な顔の魔法使い達…。
だんだんと下敷きの動きが止まります。最後は誰もあおいでいません
でした。お話の世界に入り込んでくれてよかった!
絵がないのはちょっと自信がないという人も、一度使ってみてください。
たくさんのお話が入っていますから、自分の読書用にもなります。
図書館に単行本として出版された方が置いてなければ、
「岩波世界児童文学集第 16巻」でも内容は同じです。
対象となる学年がわかること。そして時間がきちんと決まっていること。
私は希望して、よく高学年のクラスの当番にしてもらいました。
低学年では飽きてしまうかもしれませんが、5年生や6年生だと15分という時間で一つのお話でも大丈夫なのです。
それと、慣れないお母さん方の中には、高学年は怖くて(笑)とてもできない
と避ける人も多かったので、私の希望は必ず通りました。
そういう時に使った本はこちらの民話集の中からのお話。
絵はありません。いわゆる朗読ですね。
絵本を期待して机を教室の後ろに下げて待っていてくれる子ども達には、
最初に絵はないけれど聞いてね、と断って始めます。
『みどりの小鳥 ─イタリア民話選─』 イータロ・カルヴィーノ作、岩波書店
の中から「死人の腕」
娘達が一人残らずいなくなってしまった町を救うために、若者は
魔法使いのいる城へ乗り込みます。途中の墓場で亡霊に
出会い不思議な「死人の腕」を貰います。
絵がなくても、頭の中で生き生きとその情景が思い浮かべることが
できる面白い、そしてちょっとだけ怖いお話です。
しっかり練習すると、ちょうど15分で読めます。一度、読み終わって
本をぱたりと閉じたとたんにチャイムが鳴ったことがあって快感でした。
他所の小学校の朝行事の時間に読んだことがありましたが、そこでは
机を動かさないで普段どおりの配置のままで聞いてもらいました。
7月だったか、とても暑い日で、窓や戸を全部開け放しても風が
入ってこなかったものですから、子ども達は皆、机の中から下敷きを出して
パタパタあおぎながら聞いていました。態度悪いとは思ったものの、
注意するほどではないかなとそのまま読み進めました。
城の広間のようす、台所のかまどから聞こえてくる不気味な声、
異様な顔の魔法使い達…。
だんだんと下敷きの動きが止まります。最後は誰もあおいでいません
でした。お話の世界に入り込んでくれてよかった!
絵がないのはちょっと自信がないという人も、一度使ってみてください。
たくさんのお話が入っていますから、自分の読書用にもなります。
図書館に単行本として出版された方が置いてなければ、
「岩波世界児童文学集第 16巻」でも内容は同じです。
ある2年1組の読み聞かせの記録(11) ― 2007年07月11日 12時59分23秒
2年生になってからこのクラスの読書の時間は度々つぶれたんだなあというのが、本のリストからよくわかります。特に2学期は運動会はじめ行事が多いですから。暑さの残る季節に読んだであろう本から1冊おいてもう寒い季節に読む本になってしまっています。
「きつね森の山男」 馬場のぼる 作、 こぐま社
いくさが嫌いで大根が大好きな山男が、キツネ対殿様の戦いに巻き込まれてしまいます。殿様は非常に寒がりで、キツネの毛皮が欲しいのです。
城に連れてこられた山男が、雪の中でも薄着なのを奥方が目に留めます。その秘訣はふろふき大根!
絵本と同じように読み聞かせします。
少し長いお話ですが、お話の展開も面白く、馬場のぼるさんの絵も楽しく、2年生後半ならばちゃんと聞いてくれます。
寒い日に読めば、ふろふき大根が食べたくてしょうがなくなる本であります。
「きつね森の山男」 馬場のぼる 作、 こぐま社
いくさが嫌いで大根が大好きな山男が、キツネ対殿様の戦いに巻き込まれてしまいます。殿様は非常に寒がりで、キツネの毛皮が欲しいのです。
城に連れてこられた山男が、雪の中でも薄着なのを奥方が目に留めます。その秘訣はふろふき大根!
絵本と同じように読み聞かせします。
少し長いお話ですが、お話の展開も面白く、馬場のぼるさんの絵も楽しく、2年生後半ならばちゃんと聞いてくれます。
寒い日に読めば、ふろふき大根が食べたくてしょうがなくなる本であります。
ある2年1組の読み聞かせの記録(9) ― 2007年07月04日 14時09分24秒
これも分類するならば幼年童話に入るのでしょうけれど、私は限りなく絵本に近いと思ってます。
「はじめてのキャンプ」 林明子 作、 福音館書店
なほちゃんは初めてキャンプに参加します。大きい子たちは「小さい子はすぐなくし」等と反対しますが、がんばるからと入れてもらいます。
荷物が重くて歩くのが遅くなったりしたけれど、薪を探すのに活躍したり、楽しくキャンプファイアーや花火をします。テントの中で寝る前に、大きい子たちのリクエストに応えておばさんがちょっと怖いお話をしました。
すっかり怖くなったなほちゃん、夜中に一人でおしっこに行けるでしょうか。
すべての場面に絵があるので、普通に読み聞かせします。本がそれほど大きくないので見えにくい場合もあるかもしれません。
読み聞かせのボランティアさんが読んだリストをみると、15分間にこの本の他に絵本2冊も読んでる人がいたりしました。私は、もっとじっくりゆっくり読んだ方が「はじめてのキャンプ」のドキドキや、やり遂げたという達成感がじんわり伝わって来るのではないかと思います。
「はじめてのキャンプ」 林明子 作、 福音館書店
なほちゃんは初めてキャンプに参加します。大きい子たちは「小さい子はすぐなくし」等と反対しますが、がんばるからと入れてもらいます。
荷物が重くて歩くのが遅くなったりしたけれど、薪を探すのに活躍したり、楽しくキャンプファイアーや花火をします。テントの中で寝る前に、大きい子たちのリクエストに応えておばさんがちょっと怖いお話をしました。
すっかり怖くなったなほちゃん、夜中に一人でおしっこに行けるでしょうか。
すべての場面に絵があるので、普通に読み聞かせします。本がそれほど大きくないので見えにくい場合もあるかもしれません。
読み聞かせのボランティアさんが読んだリストをみると、15分間にこの本の他に絵本2冊も読んでる人がいたりしました。私は、もっとじっくりゆっくり読んだ方が「はじめてのキャンプ」のドキドキや、やり遂げたという達成感がじんわり伝わって来るのではないかと思います。
ある2年1組の読み聞かせの記録(8) ― 2007年07月03日 10時08分39秒
2年生になると絵本ではない本をちょこちょこ選んでいます。
出版社によって、幼年童話と言ったり物語絵本と言ったりいろいろですが、とにかくそんな1冊。
「びいだまたまごだ うっふっふ」 宇野克彦 作、 黒井健 絵、文研出版
こぶたが森の中でビー玉を拾うのですが、ブタの卵だと言われて一生懸命あたためて孵そうとします。いろんな動物がそれを見てばかにするのですが…。
ビー玉という子ども達が大好きなアイテムが出てきますし、どうなっちゃうんだろう、ちょっとドキドキしながら引き付けられてしまいます。
ほとんどのページに絵があるので、絵本と同じように読み聞かせします。黒井健さんの絵もほんわかしていて良いですね。
出版社によって、幼年童話と言ったり物語絵本と言ったりいろいろですが、とにかくそんな1冊。
「びいだまたまごだ うっふっふ」 宇野克彦 作、 黒井健 絵、文研出版
こぶたが森の中でビー玉を拾うのですが、ブタの卵だと言われて一生懸命あたためて孵そうとします。いろんな動物がそれを見てばかにするのですが…。
ビー玉という子ども達が大好きなアイテムが出てきますし、どうなっちゃうんだろう、ちょっとドキドキしながら引き付けられてしまいます。
ほとんどのページに絵があるので、絵本と同じように読み聞かせします。黒井健さんの絵もほんわかしていて良いですね。
ある2年1組の読み聞かせの記録(5) ― 2007年06月29日 14時33分06秒
1年生の時と同じように日付もないメモだけなのですが、もう雨の絵本を選んでいるところをみると、読書の時間はかなりつぶれたのだとわかります。
「おじさんのかさ」 佐野洋子 作、 講談社
傘をとても大事にしているおじさんがいて、濡らしたくないので外出中に雨が降ってもさしません。傘をひたすら大事にするおじさんの姿に、聞いている子ども達はあきれちゃいます。
でもある出来事をきっかけに、おじさんは遂に傘を開いてしまいます。
ぽんぽろろん、ぴっちゃんちゃん。
今日のような雨の日には、このフレーズが自然と口から出てくる人も多いのでは?
そして次の絵本ですが、ああ、私はやってしまいました。1年の時に読んだのと同じのを選んでしまったのです。うーんと前ならまだしも、3学期に読んだばかっりじゃん、メモにもしっかり書いてあるのに。
ボランティアのお母さん方や図書委員の読み聞かせた本と同じと言われるのはあんまり気にしないのですが、自分自身でしかもそんなに時間がたってなかったものですから、完全に私の失敗。
子ども達の「えーまたこれー」という声にすぐ気がつき、とっさにすぐ後ろの本棚から別のを取り出そうかと思ったのですが、それより先に担任の先生が「そういう事を言うんじゃないの、ちゃんと聞きましょう」とたしなめたものですから、先生の顔も立てなければなりません。そのまま読んでしまいました。
こういう時は素直に「そうだったっけ、ごめんね。じゃあ、こっちにしようかなあ」とゆっくり謝って時間を稼ぎつつ、真後ろの棚のかがくのとも傑作集からすばやく1冊抜き出すというのが上手い対応。ま、つまりこの時だけではなく、何度か似たような状況があったのです、実は。ただこの回だけは、学年が変わったときに担任も変わっていましたし、ベテランの先生で注意もすばやかったのでそのまま読んでしまいました。
自分じゃなきゃいいんです。毎回人が変わる読み聞かせボランティア等で、同じ本が先月も今月もなんて良く有りますが、読む人が変わるとどんなに違うか聞いてねー、って軽く流すのがコツであります。
「おじさんのかさ」 佐野洋子 作、 講談社
傘をとても大事にしているおじさんがいて、濡らしたくないので外出中に雨が降ってもさしません。傘をひたすら大事にするおじさんの姿に、聞いている子ども達はあきれちゃいます。
でもある出来事をきっかけに、おじさんは遂に傘を開いてしまいます。
ぽんぽろろん、ぴっちゃんちゃん。
今日のような雨の日には、このフレーズが自然と口から出てくる人も多いのでは?
そして次の絵本ですが、ああ、私はやってしまいました。1年の時に読んだのと同じのを選んでしまったのです。うーんと前ならまだしも、3学期に読んだばかっりじゃん、メモにもしっかり書いてあるのに。
ボランティアのお母さん方や図書委員の読み聞かせた本と同じと言われるのはあんまり気にしないのですが、自分自身でしかもそんなに時間がたってなかったものですから、完全に私の失敗。
子ども達の「えーまたこれー」という声にすぐ気がつき、とっさにすぐ後ろの本棚から別のを取り出そうかと思ったのですが、それより先に担任の先生が「そういう事を言うんじゃないの、ちゃんと聞きましょう」とたしなめたものですから、先生の顔も立てなければなりません。そのまま読んでしまいました。
こういう時は素直に「そうだったっけ、ごめんね。じゃあ、こっちにしようかなあ」とゆっくり謝って時間を稼ぎつつ、真後ろの棚のかがくのとも傑作集からすばやく1冊抜き出すというのが上手い対応。ま、つまりこの時だけではなく、何度か似たような状況があったのです、実は。ただこの回だけは、学年が変わったときに担任も変わっていましたし、ベテランの先生で注意もすばやかったのでそのまま読んでしまいました。
自分じゃなきゃいいんです。毎回人が変わる読み聞かせボランティア等で、同じ本が先月も今月もなんて良く有りますが、読む人が変わるとどんなに違うか聞いてねー、って軽く流すのがコツであります。
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