ある1年1組の読み聞かせの記録(19)2007年03月23日 15時37分00秒

次に進みます。

「よるのようちえん」 谷川俊太郎 文、 中辻悦子 絵・写真、 福音館書店
「まあちゃんのながいかみ」 たかどの ほうこ 作、 福音館書店

読み聞かせ活動をしている方に、是非一度は読んで欲しい「よるのようちえん」。白黒写真に着色したり、上から絵を書き加えたりして、なかなかの雰囲気。谷川俊太郎さんの文章ですから、心地よい言葉遊びが続きます。「もなもなみねむ」「すりたかぼに…わらべにくらど」(本が手元にないので記憶違いでしたらごめんなさい)舌をかみそうな言葉が続きますから、下読みが絶対必要な絵本でもあります。一緒に夜の幼稚園で遊びましょ。

読み聞かせの定番になっていると思う「まあちゃんのながいかみ」。短いおかっぱのまあちゃんが、髪の毛が伸びたらこんな事もあんな事もできるって想像をふくらませます。本を縦にしながらめくって、橋の上からおさげで魚釣りする絵におおっとなり、次々に斬新な使い方、思わぬ手入れの仕方が出てきて楽しいひと時が過ごせます。
読み終わって本を閉じ、裏表紙を見せ、それからくるっとひっくり返して最後に表紙を見せて終わりにするのがいつものパターン。最初にぼーっと見てた子でも、実は表紙にまあちゃんのとんでもなく長い髪が描かれていた事に気がつくのでした。

ある1年1組の読み聞かせの記録(20)2007年03月24日 16時50分56秒

次に行きます。

「あしたえんそく!らんらんらん」 武田美穂 作、理論社
「まあちゃんのまほう」 たかどの ほうこ 作、福音館書店

最近は社会科見学に取って代わられることも多いですが、それでも「あしたえんそく!らんらんらん」という気分は何ともいえないものです。持ち物は大丈夫だろうか、明日の天気は、いろんなことが心配で、しかも早く眠ろうとすればするほどかえって目がさえちゃって。そんな気持ちが詰まった楽しい絵本です。僕があまりに早く寝ようとするので、聴いている子ども達から思わず「早っ!」という声が上がります。

「まあちゃんのまほう」は「まあちゃんのながいかみ」には及びませんが、まあまあ楽しめます。魔法の呪文を唱えると、お母さんがタヌキになった、あわてて元にもどす魔法をかけます。でもこのお母さん、いつもと違うようです。
おかあさんが実はタヌキだったという点がわかりづらい子も出てくるのですが、まあちゃんシリーズだということで読む絵本です。

ある1年1組の読み聞かせの記録(21)2007年03月25日 12時06分17秒

秋は季節に関連した絵本を1冊入れるという選び方が多くなっています。

「まじょのスーパーマーケット」 スーザン・メドー 作、フレーベル館
「どうながのプレッツェル」 マーグレット・レイ 文、H・A・レイ 絵、福音館書店

「まじょのスーパーマーケット」は、ハロウィンの日が舞台です。最近はお店の飾りでなんとなくわかるものの、まだ「ハロウィンって何?」という質問が飛んできます。それでも、本文でごく簡単に触れてありますからご心配なく。
ヘレンは魔女の扮装をして、愛犬のマーサには猫の格好をさせ町へ出ます。前を歩くおばあさんの落とした割引券を届けてあげようとしたら、魔女専用のスーパーマーケットに迷い込んでしまいました!
読み聞かせでは細かいところは見せられませんが、売っている商品が奇妙でおかしくて、自分で読むときはそれを眺めているだけで時間がたってしまいます。おばあさんの落とした割引券がどうなったかも、絵を隅々まで良く見るとわかるようになっています。

「どうながのプレッツエル」はどきどきする展開とほっとする結末、心温まる絵で幸せな時を過ごせます。
ダックスフントのプレッツェルは、とにかく驚くほど立派な胴長で、ドッグショーで優勝しちゃう程です。ところがグレタは「胴長は嫌い」と言って、プレッツェルの贈り物をもらうだけもらってしらんふり。ところがある日、グレタは遊んでいて深い穴に落ちてしまいます。胴が長いのを活かして穴から助けだしてあげたら、グレタはころっとプレッツェルに参ってしまいます。
贈り物だけちゃっかりもらっちゃうグレタに、「ひでぇ」と非難があがったり、最後に子犬達が生まれた場面で、「またこの中の一匹がうーんと長くなるんだよ」と言い出す子がいたり、なかなかに反応が楽しめる絵本です。
表紙と裏表紙がつながった絵になっていますので、読み終わったら必ず開いた状態で見せてあげて、それから本を閉じてくださいね。あらためて、胴が長いのにみんなで感心して、時にはため息まで出て終わりにできます。

ある1年1組の読み聞かせの記録(22)2007年03月26日 09時46分59秒

お気づきの方もいるかもしれませんが、使っている絵本にあまり最新のものはありません。それは、図書室にある絵本を使う事を自分に課したからです。新しく買った絵本は?と疑問に思う方も多いと思いますが、それについては別の機会にまとめて書きます。ともかくも、図書館事情の悪い日本、蔵書が古めの施設しか近くに無い方には、この読み聞かせの記録はけっこう役に立つのでは、なんて思ってます。

「とべバッタ」  田島征三 作  偕成社
「ぼくのパン わたしのパン」  神沢利子 文 林明子 絵  福音館書店

「とべバッタ」の勢いある絵と展開、黙っていても(それじゃ読み聞かせになりませんが)子ども達は見てくれます。このまま一緒に飛んで行きたい。
この絵本もそうですが、字の少ない絵本の時は、じっくりじっくり間を多めに取ってくださいね。

「ぼくのぱん わたしのぱん」では、登場する姉弟たちと一緒になってパン作りをしている気分になれます。出てくるたくさんのパンも本当に美味しそう。3時間目や4時間目に読むと、お腹が減って給食まで待てないって気分にさせてしまう罪作りな絵本です。

ある1年1組の読み聞かせの記録(23)2007年03月27日 16時26分05秒

次に行きます。

「よわむしらいおん」 八木田宜子 文 長新太 絵 徳間書店
「サラダとまほうのおみせ」 カズコ・G・ストーン 作 福音館書店

「よわむしらいおん」がなぜ弱虫かは、最後にわかります。朝起きたらライオンが隣にいました。ライオンがこわいものだから、お母さんは朝からアイスクリームを食べさせてくれます。暖かいものを食べたたいと言えば、たくさん持ってきてくれます。ライオンも一緒になって食べすぎちゃって…。

「サラダとまほうのおみせ」は、季節的には春の絵本と言えますが、少し長いので1年生にはもう少ししてからと思ったので2学期に読みました。楽しさで季節なんて気にしなくなってしまいますし。
やなぎむらという小さな村、蟻の一家、かたつむり、バッタ、蜘蛛が住んでいる所にイモムシのモナックさんがサラダとまほうのおみせを開きました。そのサラダの美味しいこと!でも、「まほう」が何なのかわかりません。しばらくするとお店が閉まり、遂に「まほう」が!!
「やなぎむらのおはなし」の1作目です。

ある1年1組の読み聞かせの記録(24)2007年03月28日 16時45分20秒

短い絵本を3冊のパターンです。

「ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ」マーガレット・ワイズ・ブラウン/坪井郁美 文、林明子 絵、ペンギン社
「くろねこかあさん」 東君平 作、福音館書店
「やさいのおなか」 きうち かつ 作、福音館書店

おばあちゃんから電話があって、道をまっすぐに来れば一人でも大丈夫よ、なんて言われたのでしょう。それで「ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ」。初めて一人でする外出は、まさに冒険、道がゆるやかにカーブしててもひたすらまっすぐ。現れる障害物もなんのその。
最初の電話で話している場面では、書かれていないお祖母ちゃんのせりふを想像して心の中でつぶやいてみてくださいね。

「くろねこかあさん」をまだ読み聞かせ活動で使った事のない方がいましたら、是非一度お試しを。シンプルな切り絵で構成されていて、黒猫母さんは3匹の黒子猫と3匹の白子猫と仲良く暮らしています。実は、黒子猫が切り抜かれた跡が白子猫になっているんです。その他、切り抜いた部分が無駄なく使ってあってうならされます。
文章もリズムがあって気持ち良く読めます。

「やさいのおなか」は、輪切りにした形を見て野菜の名前を当てていく絵本です。読む前に、知っている子は初めて見る子のために黙っていてねとお願いをします。前に見ていても悩む「おなか」もあるんですけれどね。
大人の方には、問題の形がでているページの枠の色に注目というヒントを出しておきましょうかね。子どもにはないしょ。
私はまだ試していませんが、姉妹本で「やさいのせなか」というのが出てます。