読み聞かせ草子(9) ― 2008年04月23日 13時28分27秒
私はわがままな性質で、読み聞かせに使う本は自分で好きに決めたい方です。でも、場合によっては、リクエストにこたえなければなりません。他所の小学校で行っていた読み聞かせは、学校主導で始められ、有償ボランティアが集められました、主に公民館の読み聞かせグループから。
ある年、新しく来た校長先生から12月は人権週間に関連した本を読んで欲しいと要望がありました。私は正直「えーっ、やだー」と思いましたよ。12月はクリスマスの絵本を読みたいじゃん。
でもまあ反対も出来ませんから、本選びに頭を悩ませました。そこは小規模校で、毎年6もしくは7学級、結局そのうち3つの教室では「さっちゃんのまほうのて」が読まれました。ある人は、ブックトーク形式にして何冊かの本を紹介していました。
私はどうしたかというと、ある程度楽しめる本をということで前回(といってもずいぶん前ですね、すみません)紹介した「せかいのひとびと」をまず読みました。これだって広い意味で人権になりますよねえ。そして2冊目は、ちょいと衝撃的な絵本にしました。
『はせがわくん きらいや』 長谷川集平、温羅書房(現在は ブッキングから出版されています、昔はさらに別の出版社から出ていたこともあり)
体の弱い長谷川君に困らせられるぼく、その気持ちがストレートに表現されているとしか言いようがありません。
出来れば図書館で手にとって、皆さんそれぞれの思いで受け止めて欲しい絵本です。
ヒ素ミルク事件のことも何も説明せず、ただこの絵本の持つ力を信じて読み切りました。大嫌いという言葉の後ろに何か感じ取る子もいたかもしれませんし、よくわからなかった子も多かったでしょう。
驚いたのは、読み終わった私に担任の先生がすっと近づいてきて「いい本ですね」と言ってくれたこと。この先生が声をかけてくれたのは2回目です。前に「これはおひさま」(福音館書店、現在はブッキングから出版)を読んだ時、「全部覚えているんですか?」と聞かれた事があります。その時は、いつもより念入りに練習してよどみなく言葉遊びを披露しましたから、そう質問されて「やった!」と思わず心の中でガッツポーズしました。だってね、この先生、毎回読み聞かせの間中ずっとテストの丸付けしていたんですもの。普通は先生は子どもと一緒になって楽しむか、興味なくても少なくとも他の仕事はせずに児童の様子を見てるものです。ですから、絶対に丸付け止めさせてやるという意気込みで用意して、「これはおひさま」を読みながら、いえ暗記してますから正確には読まずにページが間違ってないかどうかだけチェックして目の端で先生の様子をうかがってました。途中で赤ペンを持つ手がとまったのでしめしめでした。
実はこの先生の前任校はうちの子の通っていたところで、同級生のお母さんから変わった先生だといろいろ聞いてまして、しかも1年で転任していったから憶測もよびました。確かに芸術家肌で、わが道を行くというタイプなんだろうと思ってましたが、それだからこそ「はせがわくんきらいや」に敏感に反応してくれたのかもしれません。
私は、この小学校での読み聞かせは数年でやめてしまいましたが、きっと今でも12月は人権週間にちなんでいることでしょう。一度そう決めると、なかなか止められないと思います。探せば「人権」そのものが主題の絵本もあるし、たまにはテーマが決まっているのもいいかもしれません。でも、やっぱりクリスマスの絵本読みたかったなあ。
ある年、新しく来た校長先生から12月は人権週間に関連した本を読んで欲しいと要望がありました。私は正直「えーっ、やだー」と思いましたよ。12月はクリスマスの絵本を読みたいじゃん。
でもまあ反対も出来ませんから、本選びに頭を悩ませました。そこは小規模校で、毎年6もしくは7学級、結局そのうち3つの教室では「さっちゃんのまほうのて」が読まれました。ある人は、ブックトーク形式にして何冊かの本を紹介していました。
私はどうしたかというと、ある程度楽しめる本をということで前回(といってもずいぶん前ですね、すみません)紹介した「せかいのひとびと」をまず読みました。これだって広い意味で人権になりますよねえ。そして2冊目は、ちょいと衝撃的な絵本にしました。
『はせがわくん きらいや』 長谷川集平、温羅書房(現在は ブッキングから出版されています、昔はさらに別の出版社から出ていたこともあり)
体の弱い長谷川君に困らせられるぼく、その気持ちがストレートに表現されているとしか言いようがありません。
出来れば図書館で手にとって、皆さんそれぞれの思いで受け止めて欲しい絵本です。
ヒ素ミルク事件のことも何も説明せず、ただこの絵本の持つ力を信じて読み切りました。大嫌いという言葉の後ろに何か感じ取る子もいたかもしれませんし、よくわからなかった子も多かったでしょう。
驚いたのは、読み終わった私に担任の先生がすっと近づいてきて「いい本ですね」と言ってくれたこと。この先生が声をかけてくれたのは2回目です。前に「これはおひさま」(福音館書店、現在はブッキングから出版)を読んだ時、「全部覚えているんですか?」と聞かれた事があります。その時は、いつもより念入りに練習してよどみなく言葉遊びを披露しましたから、そう質問されて「やった!」と思わず心の中でガッツポーズしました。だってね、この先生、毎回読み聞かせの間中ずっとテストの丸付けしていたんですもの。普通は先生は子どもと一緒になって楽しむか、興味なくても少なくとも他の仕事はせずに児童の様子を見てるものです。ですから、絶対に丸付け止めさせてやるという意気込みで用意して、「これはおひさま」を読みながら、いえ暗記してますから正確には読まずにページが間違ってないかどうかだけチェックして目の端で先生の様子をうかがってました。途中で赤ペンを持つ手がとまったのでしめしめでした。
実はこの先生の前任校はうちの子の通っていたところで、同級生のお母さんから変わった先生だといろいろ聞いてまして、しかも1年で転任していったから憶測もよびました。確かに芸術家肌で、わが道を行くというタイプなんだろうと思ってましたが、それだからこそ「はせがわくんきらいや」に敏感に反応してくれたのかもしれません。
私は、この小学校での読み聞かせは数年でやめてしまいましたが、きっと今でも12月は人権週間にちなんでいることでしょう。一度そう決めると、なかなか止められないと思います。探せば「人権」そのものが主題の絵本もあるし、たまにはテーマが決まっているのもいいかもしれません。でも、やっぱりクリスマスの絵本読みたかったなあ。
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