ある2年1組の読み聞かせの記録(17)2007年07月19日 15時44分47秒

あっという間に最後の本になってしまいました。もっともこの絵本を読み聞かせた時点では、はっきり最終回とわかっていません。もう1回くらいあるかなあと思っていたはずです。年度末も予測が難しい。逆に、これで最後だろうと張り切って読み聞かせしたら、先生が休みとか、勉強が予定より早く終わったとかで図書の時間が続いたりしたクラスもあります。

「ひとまねこざる」 H・A・レイ 作、 岩波書店

今ではキュリアス・ジョージの方が通りが良くなりつつあるこざるのジョージですが、とにかく知りたがりでいたずらっ子、動物園を逃げ出して、街で騒動を起こします。ちゃんと窓拭きの仕事をしていたと思ったら、持ち前の好奇心が災いしてペンキでお絵かきしたり…。
小さい子なら誰でも(もしかしたら大人でも)やってみたいと思うことを、ジョージは代わりにやってくれているのかもしれません。

小さい本も出ていますが、やはり読み聞かせの時は大きい方を使います。
そして最後に「ジョージの本は他にもあるからね」と一言添えると、もっと読んでみたくて本棚に殺到します(あながち嘘ではありません)。H・A・レイの絵がそれだけ魅力的なんでしょう。
高学年の女子で、このシリーズが好きで順々に読んで行った子もいました。文章も程よくありますしね。全部借りた後で「もう無いんですか?」と聞いてきて、これだけと答えると「ちょうど良かったのにな~」と本当に残念そうでした。

ある2年1組の記録はこれで終わりますが、このクラスでは使わなかったけれど読み聞かせにぴったりという絵本が実はまだまだあります。
次からは、そんな本を少しずつ紹介して行きたいと思います。

ある2年1組の読み聞かせの記録(16)2007年07月18日 14時50分02秒

春めいてきたのだというのが、選んだ本からわかります。1年生の時と比べて、本当に読書の時間が少ないです。2年生でいられるのはあと少し。

「ポットくんのおしり」 真木文絵 文、石倉ヒロユキ 絵、福音館書店

植木鉢(ポット)の底にはなぜ穴が開いているのでしょう?
ポット君の疑問に答える形で、シャベルやジョーロ等もお手伝い。
花壇で忘れられた球根を助けて、春には素敵な花を咲かせます。
科学絵本だということを忘れてしまいそうになる程、楽しくお話が進んで行きます。
「ポットくんのおしり」という題名も、子ども達を引き付ける力があって素敵です。

「ポットくん」シリーズは他にもあるようなので、気に入った方は探してみてくださいね。

ある2年1組の読み聞かせの記録(15)2007年07月17日 13時10分53秒

次に行きます。

「いじわるブッチー」  バーバラ・ボットナー 文、ペギー・ラスマン 絵、 徳間書店

私のママとブッチーのママは仲良しです。家に来る時、いつもブッチーもくっついてきます。嫌だなあ。困ったことに、ママは私とブッチーも仲良しだと思い込んでいます。ブッチーなんてどっか遠くに引っ越しちゃえばいいのに。
そんなブッチーが家に泊まりに来ることに!どうしよう!!

表紙のブッチーの、いかにも意地悪という顔が何ともいえません。
読み聞かせる前に、この表紙でかなりポイントが稼げます。

図書室に勤め始めた頃、図書委員の6年男子でこの絵本を妙に気に入っていた子がいました。当番しながら読んでてツボだったようです。表紙の意地悪な顔がおかしくてしょうがないとの事。
委員会ごとに卒業アルバム用の写真を撮る時、各自好きな本を持って写ろうという事になりました。当然のように「いじわるブッチー」のもとへ。ところがあいにく貸し出し中。しかたなく他の無難な本にしてました。
私としても貸し出し中だったのが残念でした。他の子が、ルイス・サッカーの本やパスワードシリーズや「ぼくらの七日間戦争」を掲げている中で「ブッチー」のあの意地悪顔が写っていたら良い記念になったのに。
もう高三のはず。「ブッチー」のことは忘れちゃったかな。将来父親になった時に、ふと思い出して子どもに読んでやったりするのでしょうか。

ある2年1組の読み聞かせの記録(14)2007年07月14日 13時23分39秒

早くも新年です。

「十二支のはじまり」  岩崎京子 文、二俣英五郎 絵、 教育画劇

前年に「十二支のお節料理」を読み聞かせた時、意外と十二支の成り立ちを知らないんだとわかったので、今年は絶対と心に決めていました。1年がかりのプロジェクト?

内容は、皆様よくご存知のネズミがネコに嘘の日を教え自分はちゃっかり牛の背中に云々、でございます。

図書室にはこの他に「十二支のおはなし」(内田麟太郎 文、山本孝 絵、岩崎書店)と「ね、うし、とら…十二支のはなし 中国民話より」(ウォアコム文、ル・カイン絵、ほるぷ出版)がありました。ただし、「ね、うし、とら…」の方はよく知っているお話とは違っています。
同じ題材の絵本は各出版社からいろいろ出ていますので、自分の好みに合ったものをどうぞ。

ある2年1組の読み聞かせの記録(13)2007年07月13日 16時25分12秒

次は比較的新しい絵本で、出版社が送ってきた目録を見て購入したものです。

「こんたのおつかい」  田中友佳子 作、 徳間書店

こんたが油揚げを買ってくるというお使いを頼まれました。忘れないように「おあげ、おあげ」と復唱しながら、通ってはいけないといわれた森へ。すると次から次へと化け物が現れます。やっとのことで森を抜け出し、お店に辿り着いたこんたは「○○○ください」と叫びます。

○の中に入る言葉は容易に想像つくと思いますが、お話も面白く、お化けの絵も迫力があって読み聞かせにぴったりだと出版社が謳うのも当然の絵本。
なのに私は失敗しました。練習もしたんですが。受けようという気持ちが先走ったのがいけなかったのだと思っています。私の読み聞かせは、淡々と読んでその本の素の魅力を感じ取ってもらうタイプです。へんに受けを狙うと逆効果です。
もちろん、読むのが上手な方、臨場感溢れる読みっぷりが身上の方、一度試してみてください。きっとワッと沸くことと思います。

ある2年1組の読み聞かせの記録(12)2007年07月12日 14時12分00秒

次に行きます。

「よかったね ネッドくん」  レミー・チャーリップ 作、 偕成社

ネッド君にパーティーの招待状が来ます。ところが場所が遠くて行けません。そうしたら運良く、友だちが飛行機を貸してくれます。ところが運悪く、その飛行機が爆発。しかし運良くパラシュートで脱出…。

こんな調子で、幸運な場面と不運な場面が交互に現れます。「よかった!」で始まるラッキーなページはカラーで、「でも、たいへん!」で始まる不幸なページは白黒で描かれていてより印象的です。しかも、危機的な状況が半端ではないですから、助かる度に心から「よかった!」と思えます。

まだこの絵本を読み聞かせに使ったことの無い方、是非読んであげてください。リズムよく。